川村流「学んで終わりではない 一歩踏み出すためのノート活用術」
今年で92歳(令和7年7月現在)を迎える川村榮太郎さんが、学生時代から今なお続けている勉強方法を紹介。
図のように、大学ノートの見開き両ページをそれぞれ横に3分割する。
【上段左】1.その日学んだ内容をまとめる
【中段左】2.講義に対する自分の考えや思いを書く
【上段右】3.図書館などで調べた参考文献を要約する
【中段右】4.その要約に対する自分の感想を記す
【下段左】5.授業の内容をレビューし、学んだことのまとめや結論を簡潔に記録する
ここでは、自分が学び取った本質や重要ポイントを一言で表す「要約」を書き込む。例えば、「時間管理の重要性を再認識した」や「環境問題に関するデータ分析の方法を学んだ」など、自分自身で理解した内容を短い文章でまとめる。
【下段右】6.授業内容を元に自分が設定する「今後の課題や目標」を記載する
自分の課題を見える化し、図やイラストを活用して視覚的に整理することが重要。例えば、「カレンダーを活用して1週間分のスケジュールを改良する」などの具体的な目標を書き込むとともに、ロードマップや優先順位を示す簡単な図を描くことで、次のアクションステップが明確になる。
川村さんは、効果的に授業の成果をまとめつつ次の課題や目標を設定することで、「授業で得た知識を実生活やさらに深い学びへと橋渡しするツールとして有効活用できる」と語る。さらにこの構成により、「単なるメモや記録を超えた、実践的な学習ノートを作成できる」とも勧めた。
日常生活でも大いに役立てており、さんだ生涯学習カレッジ(旧高齢者大学)の講座でも実践していたそうだ。また、学業だけでなく自分のやりたいことと課題や目標を毎回記載して追いかけることで、「ひょうごラジオカレッジ」本科への入学、ポルトガル語の通訳や翻訳ボランティアの夢を達成した。さらに趣味の抽象絵画、写真、吹矢、天文学の世界にも活用している。川村さんは、「頭の中の構想を可視化することで、達成へのモチベーションが上がりました」と語る。学んだことを単に覚えるだけでなく、自分の感想や考えを介して新たな視点を得ることで、それを日常生活のさまざまな場面に応用する力が必ず身につくという。
【川村さんからのメッセージ】
私たちは、生涯学習を通じて得た知識や経験を自らの人生に留めるだけでなく、次の世代や地域社会へと還元していく役割も担っています。学びの先にある新たな可能性に向かって一歩踏み出してみませんか?
カレッジの卒業生として、特にカレッジの学生の皆さんには、自ら一歩を踏み出せるような情報をキャッチして遂行するためにもぜひ参考にしていただければ幸いです。

更新日:2025年08月13日